日台関係の強化をめざす「李登輝友の会」は「2022政策提言」をまとめ、冊子として発行した。冊子の表紙には「日台関係の現実を正しく評価するための5つの提言 日台実務協力関係の50年を迎えて」という副題が付けられている。提言は同会と「日米台関係研究所」の共同で、日本語、中国語、英語で書かれている。中国語では「正確面対日台関係現実的5項建言 正値日台実務合作関係50周年」。
この提言の冊子は9月29日付の発行だが、提言そのもののとりまとめは今年3月27日付。
日本李登輝友の会は会長に拓殖大学学事顧問(前同大学総長)の渡辺利夫氏。副会長に外交評論家の加瀬英明氏、川村研究所代表の川村純彦氏、文明史家の黄文雄氏、杏林大学名誉教授の田久保忠衛氏、千里丘タクシー取締役の辻井正房氏。それぞれ外交・安全保障の重量級の専門家として知られ、冊子の表紙にも会長、副会長の名前が明記されている。
5つの提言とは――。
①日台交流基本法の制定
②安全保障、災害対策において必要な情報共有制度の構築
③日台間の相互交流のレベルアップ
④台湾の国際生存空間拡大への支援
⑤日本の学校教育における台湾のクローズアップ
①の日台交流基本法の制定については、草案も示されている。日台間には外交関係がないので、双方の民間窓口団体である「日本台湾交流協会」と「台湾日本関係協会」が結んだ取り決め合意を、双方の政府が誠実に実行するという慣行になっているが、日台交流基本法はそれに日本国内における法的な裏付けを与えるものだ。日台交流基本法をめぐっては2021年3月、自民党の保守団結の会が制定を求める決議を行っている。
⑤の学校教育については、小中学校の社会科、高校の地理・歴史で、日本統治時代の台湾、戦後の日台関係、1990年代以降の台湾の民主化-などを教えるべきだとし、中学校、高校の修学旅行先として台湾を「推奨する」としている。
冊子は、日本李登輝友の会のHPからpdf版がダウンロードできる。